「月下美人」
~美人さん連れて行くよ~
友人のM君から、電話がありました。
「明日の夜、空いてるか?」
「ああ、空いてるよ」
「よし、それじゃ美人さんを連れて行くから一緒に飲もう」
「美人さんを連れて来るって、奥さんか?」
「俺の嫁さんはブスだ」
Mさんの奥さんは、明るく聡明な素敵な女性です。
「まあ、楽しみにしてて。酒を一本持って行くから、ツマミたのむ」
次の日の夕方、ニコニコしながらM君がやって来た。
「あれっ、お連れさんは?」
Mさんは黙って、どんどん家の中に入って来ました。
テーブルの上に段ボール箱を置き、「これだ!」と言って大事そうに箱を開けました。
大きな花の蕾の一輪挿しが現れました。
「これが一年に一度、夕方から咲き始め明け方には咲き終わる<月下美人>だよ」
名前は聞いたことが有るけど、これが「月下美人」
「月下美人」を真ん中に置いて、ワクワクしながら一杯飲み始めました。
時々目をやると、少しずつ花が開いていきます。
穏やかで清楚な香りが、漂ってきました。
夜11時頃に、満開になりました。
その清廉で純白の花の美しさに、ただ見とれるばかりでした。
朝4時頃起きて見ると、花はしぼんで終わりを告げていました。
美人薄命いや、美花薄命でしょうか。
花言葉
「はかない美」
「はかない恋」
「艶やかな美人」
カテゴリー:日記/更新日:2017.12.28